1.トイレリフォームのよくあるお悩み
子育て世代 よくあるトイレのお悩み
- 掃除がしやすいようにしたい
- 臭いがとれない!
- 節水タイプのトイレに取り替えたい
- 温水洗浄便座が壊れた
- 小さい子供が手洗いすると水がはねて…
●子育て世代のトイレリフォーム ワンポイント●
予算に合わせて機能を選択し、最新のトイレを設置しましょう。メーカーによって、掃除のしやすさ・コンパクトな設計・防臭抗菌など強みが違います。リフォーム業者に相談してみてください。小さなお子さんには、手洗い付きのトイレは使いにくいものです。可能であれば独立した手洗い器の取り付けもおすすめしています。
悠々世代 よくあるトイレのお悩み
- 腰が痛いので自動開閉タイプのトイレにしたい
- 長年使っているので気分を一新して新しいトイレにしたい
- 和式から洋式へ取替えたい
●悠々世代のトイレリフォーム ワンポイント●
長年の使用で古くなったトイレを取り換えるケースが多いです。将来的な車椅子の使用などを見越してトイレスペース自体を広く・バリアフリーにリフォームされることをおすすめしています。
自動界壁・自動洗浄、手洗いも手首に負担の無い自動水栓にしましょう。ドアは体重移動の少ない引き戸や折れ戸が良いでしょう。タンクレストイレを選べばさらに空間を広く使うことができますよ。
2.トイレリフォームを成功させる9つのポイント
[Point.1] トイレの室内スペースを確保する
掃除や将来の介護など…万が一を見据えた広さに!
トイレの室内は日常的な使いやすさに配慮するだけでなく、万が一の際に対処しやすいように、十分なスペースを確保しておくことが大切です。
設置する便器の大きさだけでなく、手洗い器や手すりの位置なども室内スペースを考慮して考えるようにすることをオススメしています。
室内スペースに余裕がないと、掃除をするのも大変になってしまいます。
将来を見据えたリフォームであれば、入り口幅を広めにとって、介助者が必要な場合でもスムーズにサポートできるようにしておきましょう。
[Point.2] 足腰への負担の少ない便器選び
タンク無しタイプがおすすめです!
便器には複数のタイプがありますが、スペースの確保・見た目のデザイン性・足腰への負担軽減などを考えると、タンクが一体となったタンク無しタイプの便器がおすすめです。
タンク無し便器はスペースの狭いトイレでも設置しやすいというメリットもあります。
もちろん、便座を選ぶ際には立ったり座ったりしやすいことが欠かせません。和式便座を使っている場合は洋式便座へ取替えるようにしましょう。
[Point.3] 扉の開き方も吟味
外開き・引き戸・折れ戸がおすすめです!
トイレの扉の開き方も重要なポイントです。
内開きのトイレの場合、もしも中で人が倒れていた時、扉を押し開くことができずに救助が遅れてしまうリスクが高まります。
そのため、外開きや引き戸・折れ戸の扉をオススメしています。
ただ、外開きにした場合でも、廊下に何か物を置いていたりすると引っ掛かってトイレから出られなくなる恐れがあります。トイレ周りの廊下には何も置かないように心掛けましょう。
[Point.4] 転倒防止への配慮を忘れずに
段差・床材・手すりなど細心の注意を!
出入口の段差を解消してフラットに、床材は滑りにくい物を使用する、など転倒防止策はとても重要です。
床材に関しては、転倒のリスクだけでなく手入れのしやすさや汚れにくさにも関係してきます。十分に考慮して決定してください。
家族の身長や扉までの距離を考えて、使いやすい位置に手すりを設置することも大切です
[Point.5] 足元まで明るい照明を
足元に不安がないよう明るさを確保しましょう
夜中にトイレに行く際など、廊下と合わせてトイレの照明器具も大切です。
足元までしっかり照らしてくれる明るさの照明を選びましょう。
[Point.6] 独立した手洗い器の設置
負担のない高さの独立手洗いがおすすめです!
タンク付きの便器であっても、独立した手洗い器を壁に設置するのがおすすめです。
ご家族の身長に合わせて体に負担の無い高さを選べるほか、鏡や照明器具も設置することで使いやすさが格段に上がります。
[Point.7] 寝室とトイレの動線計画は確実に
将来を考えて、寝室とトイレは近くに配置しましょう!
年齢を重ねてくると、夜間や睡眠中にトイレへ行きたくなることも増えてきます。
足腰や視覚に不安のある状態での長距離の移動は、毎日のこととなるとかなりの負担になります。
トイレリフォームの際には、寝室とトイレの距離を充分に配慮しましょう。
[Point.8] ヒートショック防止対策を
温水洗浄便座・人感センサー付きヒーターなど
洗面所やお風呂場と同じように、トイレにもヒートショック対策は欠かせません。
温水洗浄便座や人感センサー付きのヒーターを導入するなど、冬場のヒートショック対策を行いましょう。
[Point.9] 緊急呼び出しボタンを備える
どこにいてもコールサインを聞こえるようにしましょう!
緊急時に備えて、トイレ室内に緊急用の呼び出しボタンを備えておくと安心です。
緊急呼び出しボタンを押した場合に、家のどこにいてもコールサインを聞こえるようにしておきましょう。
3.トイレリフォームの工期と費用
トイレリフォームの費用相場は30~50万円が中心となる価格帯です。元々のトイレとリフォーム後のトイレのタイプやグレード、リフォームの規模によって価格は変動しますので、今回はよくあるトイレリフォームの費用と工期を3パターンご紹介します。
洋式トイレ⇒ウォシュレット洋式トイレ の場合
■費用:20~50万円程度
■工期:4日程度
洋式トイレ⇒タンク無しトイレ の場合
■費用:50万円以上
■工期:4日程度
配管・内装工事を伴う場合
■費用:70万円以上
■工期:5日程度
4.おすすめのトイレメーカーと製品
TOTO
ウォシュレットを開発したことでも知られるTOTOは、トイレメーカーとして国内トップシェアを誇る世界的にも有名なメーカーです。TOTOのトイレは、清潔さ・洗浄力・節水性能といったあらゆる面で優れており、中でも節水性能に関してはトイレ業界のパイオニアといえるでしょう。便器のふちをなくした形状の製品もあり、掃除がしやすいと評判です。
【 おすすめポイント 】
- 節約の性能に優れている
- 選択幅が広い
- トップメーカーの安心感がある
左)『ネオレスト』シリーズ
TOTOのネオレストは、シンプルな製品からハイグレードモデルまで幅広いラインナップが用意されています。住居の構造や排水方式、予算などに合わせて選びやすいシリーズです。
右)『ピュアレストEX』
ピュアレストEXは、便器の形状やタンクの有無などを、リフォーム内容にあわせて自由にカスタマイズすることができます。ご自身の "理想のトイレ" にこだわりたい人におすすめです。
LIXIL(リクシル)
住宅設備の総合メーカーとして、2011年に複数のメーカーが統合して誕生したLIXILは、トイレに関しても国内でTOTOに次ぐシェアをほこっています。価格面でのメリットに優れているだけでなく、「アクアセラミック素材」は水垢がこびりつきにくく、従来の陶器よりも汚れにくく清潔さが長続きすると人気です。トイレ室内の脱臭・除菌性能にも優れています。
【 おすすめポイント 】
- 消臭力や除菌力に優れている
- 普段の掃除がしやすい
- 低予算でもデザイン性にこだわる
左)『サティス』
サティスはシャワートイレ一体型の、タンク無しタイプです。シンプルな外観で、どんな内装や室内空間ともマッチしやすいことがポイント。
右)『アメ―ジュZ・アメ―ジュZA』
アメージュZは、タンクの有無や便器の性能・グレードといった要素を利用者が自由に組み合わせて選べるシリーズです。便器はふちなし形状で掃除がしやすい点も特徴です。
Panasonic(パナソニック)
国内3位のシェアを誇るのが、パナソニックのトイレです。有機ガラス系新素材を使用し、従来の陶器製トイレよりも汚れにくくなっている便器や、尿の飛びちり防止機能「ハネガード」など、清潔さや掃除のしやすさに優れている点は見逃せません。また、人気シリーズの「アラウーノ」は、2006年に発売されてから100万台以上の販売実績があります。
【 おすすめポイント 】
- デザイン性が高い
- 汚れにくく清潔さをキープしやすい
- 省エネ機能で電気代をおさえやすい
左)『新型アラウーノ』
シックな外観に省エネ機能などを備えた、家電メーカーならではの高性能トイレです。便座の温めや保温に必要な電気も節約されており、ランニングコストが安い点は見逃せません。
右)『アラウーノSⅡ』
アラウーノシリーズの中でも、必要な機能をすべてそろえた上で本体価格を20万円前後におさえた、コストパフォーマンスに優れたモデルです。
ジャニス
ジャニスは、創業から80年以上の歴史を持つ衛生陶器メーカーの老舗です。トイレだけでなく、手洗い器や洗面台といった水回りに関する製品を数多く取り扱っています。ジャニスのトイレは、お手入れがしやすいように便器のふち部分を限界までうすくした「フロントスリム」や、節水性能・洗浄力・静音性の全てに優れた「サイクロン洗浄」などが特徴です。
【 おすすめポイント 】
- 静音性に優れている
- コンパクトな便器なので省スペース化ができる
- 老舗メーカーの安心感がある
左)『スマートクリン』シリーズ
スマートクリンは奥行き645mmという国内最小クラスのコンパクトモデルです。小型でありながら洗浄力に優れており、お手入れがしやすい点でも人気を集めています。
右)『ココクリン』シリーズ
薄型タンクを採用し、全長740mmというコンパクト設計を実現させたシリーズです。さらに、2階以上のトイレに多い壁排水タイプにも対応可能という特徴があります。
タカラスタンダード
ジャニス製のトイレを自社ブランドとして提供しているのが、タカラスタンダードです。そのため、基本性能や特徴はジャニスのトイレ製品と同様ですが、タカラスタンダードでは特に、日常的なお手入れのしやすさに優れた製品がラインナップされています。
【 おすすめポイント 】
- トイレのお手入れがしやすい
- カビや汚れに強い床・壁にできる
左)『ティモニU』シリーズ
ティモニUは、本体奥行きが700mm・タンクもコンパクトに設計された省スペース性能に優れたシリーズです。高機能なハイグレードモデルもあります。
右)『ホーロークリントイレパネル』
ホーロークリントイレパネルは、トイレの床や壁に使用される独自素材です。金属ベースなので磁石を使え、さらに表面はガラス質となっており、汚れや臭いをしっかりとガードするので変色やシミといった劣化を防げる点が特徴です。
5.トイレリフォーム施工事例
南砺市 T様
住宅と店舗兼用のトイレリフォームを行いました。トイレ内に手洗い場が無いため、元のトイレと同じく手洗い付きのLIXILトイレのアメージュへの交換をご提案しました。(タンクと便器をLIXILトイレアメージュへ新しく交換し、便座のみ以前使用されていたものを使っています。)
紙巻器本体の位置を変更したり、内装工事・壁紙や床の張り替えも行うなど、ガラッと雰囲気を変えています。壁にはガラスモザイクタイルをアクセントに使用し、落ち着いた空間に仕上がりました。
富山市 U様
長年お使いだったタンク付きのトイレからタンクレストイレへリフォームしました。ご提案したトイレはTOTOピュアレスト。タンクレストイレへリフォームしたことで、すっきりと広々とした空間になりました。
また床のクッションフロアも張り替えを行いました。以前の白系のクッションフロアから、黒のタイル調のクッションフロアにリフォームしたことで高級感のある、まるでホテルのようなトイレ空間となりました。
6.トイレリフォームのよくある後悔ポイント
「汚れやシミの付きやすい床材にしてしまった…」という失敗
せっかくトイレリフォームだから清潔感のある天然の無垢材を床面に使ったのに、むしろ汚れやシミが付きやすくなったという失敗例は少なくありません。
フローリングなどに使用される木材は、トイレ用の強力な洗剤やアンモニアが付着すると変色・腐食してしまう性質があります。きちんとトイレマットを使ったり普段から掃除をマメにいていても汚れる可能性が高くなってしまうのです。
「大きな便器にしたらトイレが狭い…」という失敗
トイレリフォームでは大型の便器へ交換する人も少なくありませんが、便器の大きさはトイレ室の大きさを加味して決めることが大切です。
限られたトイレスペースに大型便器を設置してしまうと、便器と壁の間が狭くなったり、扉から便器までの距離が短くなってしまい、身動きがとりづらい状況が生まれてしまいます。充分なスペースがないと掃除もしづらく、床面の汚れを放置してしまうリスクも増えてしまいます。
「大きな窓で外からの視線が気になる…」という失敗
狭い個室を少しでも開放的にしようと大きい窓を取り付け、外からの視線が気になりかえってストレスになってしまうケースも。
トイレはそもそあまり広い空間ではないので、あまり大きな窓を設置する必要はありません。また、すりガラスや曇りガラスを使うなど、外から中を見えないようにする工夫も欠かせません。
「万が一の際に扉が開かないのでは…」という失敗
トイレの扉を内開きにするか、外開きにするかも重要なポイントです。
外開きにした場合、廊下に置いていた物が引っ掛かってトイレから出られなくなる恐れがあります。しかし内開きにすると、もしも中で人が倒れてしまったとき、扉を押し開くことができずに救助が遅れてしまうリスクが高まります。
ご家庭では外開きの扉にして、トイレの周りの廊下にはモノwお置かないようにするのが無難でしょう。引き戸や折れ戸という選択肢もありますよ。
7.タイミング別!抑えておきたいチェックリスト
[ CHECK.1 ] ショールーム見学
住宅設備機器のメーカーは、ショールームを用意していることがほとんどです。パンフレットと実物では印象が大きく違うこともあるので、可能であればショールームまで足を運んでみましょう!
ショールーム見学の CHECK LIST
□ リフォームで何を実現したいのか?課題や目的を明確にしておく
□ 現在のトイレ室・便器・手洗い器・収納などのサイズを測っておく
□ 現在のトイレの写真を持参する
□ (気になる商品があれば) 品番をリストアップしておく
※なお、設備メーカーのショールーム担当者はリフォームの概算を答えられません。各販売店での店頭価格や、リフォーム会社での作業料金が分からない以上答えようがないからです。担当者が押さえているのは「本体の定価」だけですのでご注意ください。
[ CHECK.2 ] リフォーム業者との打ち合わせ
より実際の価格に近い見積もりを出してもらうために、リフォーム業者には次の3点を明確に伝えましょう。見積もりは1社だけでなく、2~3社に依頼するのが一般的です。予算に近い値段で理想的なリフォームを実現できる業者を選びましょう。
リフォーム業者に伝えたい CHECK LIST
□ リフォームしたい箇所。便器の交換だけなのか、周辺の床や壁も希望しているのかを正確に伝えます。
□ 現状の不満と理想のイメージ。どんな時にどんな事に困っていて、どんなトイレにしたいのかを具体的に伝えましょう。
□ トイレのグレード。予算を前提にどの程度のグレードのキッチンを希望しているのかを伝えましょう。
[ CHECK.3 ] 見積書を見る
見積書のフォーマットは業者によって異なりますが、見るべきポイントはどの業者でも同じです。最も大事な数字は「合計金額」ですが、以下項目にもしっかりと目を通しておきましょう。
見積書の確認 CHECK LIST
□ トイレの商品名。トイレのメーカーと製品名が具体的に記載されているか必ず確認してください。
□ リフォームの対象範囲。各社の見積もりを平等にするため、それぞれの見積書のリフォーム対象範囲を確認しましょう。「ここが安い!」と思っても床などのリフォーム代が含まれていないケースもあります。
□ 別途費用。見積り一覧の表とは別枠に、小さな文字で「駐車場代」などの別途費用が記載されていることがあります。要確認です。
[ CHECK.4 ] 契約書にハンコを押す
リフォームは安い買い物ではありません。業者との齟齬が無いように、契約書のハンコを押す前に次の3点をしっかりと確認しておきましょう。
契約書にハンコを押す前の CHECK LIST
□ 見積書と契約書の内容を比較する。見積書と契約書を詳細に比較、少しでも分かりづらい点があれば遠慮なく聞きましょう。
□ 追加費用の可能性を確認する。工事中に想定外のことが生じた場合(床がもろく修繕する必要があるなど)、どの程度の追加費用がかかるのか確認しておきましょう。追加費用の可能性の有無を確認しておくのが安心です。
□ 何をどのように工事するのか改めて現場で確認する。双方の認識の齟齬を避けるため、どの場所にどんな設備を設置してどのような仕上がりとなるのかを、実際にトイレで担当者から指差し説明をしてもらいましょう。