本記事では以下の項目についてご紹介します。
・カーポートとガレージの違い
・費用と施工期間
・カーポート・ガレージリフォームで失敗しないために
・カーポート・ガレージを増築する前に確認すべきポイント
・カーポートは積雪によるトラブルに注意
この記事を読んで、満足のいくカーポート・ガレージリフォームを成功させましょう!
カーポートとガレージの違い
カーポートとガレージは大切な車を守るために自動車を保管しておく場所ですが、その違いをご存じでしょうか?
カーポート
カーポートとは屋根付きの簡易型車庫のことです。
メリット
・費用が安い
・比較的狭いスペースでも作ることができる
・台数が増えたりしてもリフォームがしやすい
デメリット
・雪、雨、風から車を守ることができない
・盗難やいたずらをされる可能性も高い
ガレージ
ガレージとは周りを壁で覆われた屋根付き駐車場のことです。
高級車を所有していたり自動車好きの方の場合、家の中にガレージを作りこむビルトインガレージを作るケースも多いです。
メリット
・雨、雪、風から車を守ることができる
・盗難やいたずらの心配がない
デメリット
・建物扱いとなるため固定資産税がかかる
費用と施工期間
カーポートとガレージリフォームの費用と施工期間の目安を以下の表にまとめました。
費用 | 施工期間 | |
カーポート | 30万~60万円 | 1~3日 |
ガレージ |
100万円程度 ビルトインガレージの場合:200万円以上 |
10日~1か月 |
カーポート・ガレージリフォームで失敗しないために
カーポート・ガレージリフォームで失敗しないために以下の4つについて気を付けましょう。
・リフォームを行う季節を考える
・カーポート・ガレージ前の道路幅や高低差を確認する
・家の周囲の環境と事故の危険を考える
・メンテナンス性と耐久性を考慮する
では、それぞれについて詳しく解説していきます。
リフォームを行う時期を考える
失敗しないためには、リフォームを行う時期を考えましょう。
夏場のように気温が高く、日差しも強い季節では、コンクリートのならし作業を迅速に行わなければならなくなり、リフォーム業者による施工ミスのリスクが高まります。
反対に冬場では、積雪で作業が困難になる可能性もあります。
そのため、工事期間などを考慮しながら安全で確実に作業を行えるよう適切な季節を選びましょう。
カーポート・ガレージ前の道路幅や高低差を確認する
カーポート・ガレージ前の道路幅や高低差を確認しましょう。
ガレージやカーポートの面積が十分で、敷地内の乗り入れ動線も確保できていたとしても、ガレージの前の道幅が十分でなければ車庫入れは非常に困難になります。
もしもガレージ前の道幅が5m以下の場合、ガレージの間口を広めに取る、といった車庫入れをしやすくするための工夫も重要です。また、当然ながら家族が乗っている車のサイズや形によっても必要な道幅は変わってくるので、将来的な可能性も考えながらプランニングするようにしましょう。
その他にも、道とガレージの入り口に極端な高低差がある場合、安全な入出庫を行えるよう配慮することも必要です。
家の周囲の環境と事故の可能性を考える
家の周囲の環境と事故の可能性を考えましょう。
屋根や壁のあるガレージはただでさえ周囲に対する視認性が悪くなりがちです。特にガレージの入り口と道路までほとんど余裕がない場合や、隣接する家や生け垣などでそもそも視認性が悪い場合などは、出庫の際の安全確保についてあらかじめ考えておくことが不可欠です。
メンテナンス性と耐久性を考慮する
メンテナンス性と耐久性についても考慮することが大切です。
シャッターガレージは、あまりにも品質の悪いものを建てると将来的にシャッターの開閉に支障を来す恐れがあります。また、耐久性の弱いカーポートは、積雪や台風によって倒壊してしまう危険があります。
そのため、費用を抑えることも大切ですが、必ずメンテナンス性や耐久性をきちんと考えるようにしてくださいね。
カーポート・ガレージを増築する前に確認すべきポイント
ガレージやカーポートを増築する場合、費用面の他にも事前に確認しておかなければならないポイントがあります。
・確認申請
・基礎工事
・必要な面積と建ぺい率
・固定資産税
・北陸ならではの注意点
それぞれについて詳しく解説していきます!
確認申請
カーポートやガレージが10㎡を超える場合、確認申請が必要です。
住んでいる地域によっては床面積に関わらず確認申請が必要なところもあります。建築士のいないリフォーム業者では、外注で確認申請を依頼しているのでその分リフォーム費用に上乗せされることもありますので注意が必要です。
基礎工事
カーポートやガレージのリフォームでは倒壊を防止するために基礎工事が必須です。
チラシや広告に掲載されているのを見るとガレージ本体の販売価格しか書いてありませんが、施工には基礎工事、組み立て工事、土間工事、内装費などが別途必要となります。
必要な面積と建ぺい率
カーポート・ガレージに必要な面積と建ぺい率を確認しておきましょう。
家から独立したシャッターガレージやカーポートを増築する場合、保管する車の台数や道路からの乗り入れ動線を考慮して、充分な面積を確保しなければなりません。
しかし、一方で面積を大きくし過ぎてしまうと、今度は建ぺい率の問題で法的にNGとなる可能性があります。
建ぺい率とは、土地全体の面積に対して、建築物として使用されている面積の割合です。例えば土地面積が200㎡の土地に、100㎡の住宅が建っている場合、建ぺい率は50%となります。 屋根を持つガレージやカーポートは法的に建築物とみなされるため、事前の確認申請でも建ぺい率について条件をクリアしていることが必要です。
建ぺい率がどの程度まで許容されるかについては、自治体やエリアによって異なりますが、もしも住宅の建ぺい率がすでに基準ぎりぎりな場合、シャッターガレージやカーポートの増築がそもそも不可能という場合もあるでしょう。
もしも建ぺい率の問題でシャッターガレージやカーポートの増築が困難な場合、住宅の一部をガレージにするビルトインガレージへのリフォームを考える必要があります。
固定資産税
シャッターガレージやカーポートが建築物であるとすれば、当然ながら固定資産税の課税対象にもなります。
といっても、実際には簡易的なガレージやカーポートに大きな税金はかかりません。
しかし、きちんと確認しておくことは大切です。
北陸ならではの注意点
北陸では積雪がつきものです。
カーポートをつくるなら積雪150cmを超えても安全なものを選ぶ必要があり、基礎工事もそれに合わせて行う必要があります。しかし、その通りに工事をしない業者もいるので、見積もり時に基礎工事の寸法を確認することが重要です。
ガレージは壁があるのでカーポートより耐久性がありますが、積雪に対する耐荷重を確認しましょう。特に太陽光パネルなどを設置する場合、耐えられるのかどうかしっかりチェックする必要があります。
カーポートは積雪によるトラブルに注意
富山では積雪量が多く、カーポートにまつわる冬場のトラブルは少なくありません。
例えば、カーポートの屋根に大量の雪が積もり、それが落ちて近くにいた人が下敷きになってしまう危険性があります。また、そもそも耐久性のないカーポートであれは、積もった雪の重量でカーポートそのものが倒壊してしまう危険もあるでしょう。その他、雪解け水が冷えてつららになれば、さらに落下時に大けがをするリスクが増大します。
そのため、富山でカーポートを建てる場合、積雪時のメンテナンスや耐荷重性も考えておくことが欠かせません。
積雪に強いカーポートとは?
4本以上の支柱を持つ両足支柱タイプ
まずは、積雪に強いカーポートを選んでおくことが重要です。
一般的には左右の支柱によって屋根を支える、「両足支柱タイプ」のカーポートが耐積雪・耐風圧仕様のものとして人気です。特に、最低でも支柱が前後左右4本以上あるものが、安全性に優れているといえます。
片側の支柱だけで屋根を支える「片流れタイプ」や「後方支柱タイプ」は、設置コストが安く済みますが、積雪などに対する耐久性が弱く、富山のようなエリアには不向きといえるでしょう。
なお、カーポートは同じ製品でも耐積雪量ごと選択できることが多く、さらにオプションとして補助用のサポート柱を設置できる場合もあります。
ロードヒーティングの併設
カーポート自体に耐久性があっても、周囲に大量の雪が積もってしまえば車の出し入れはできません。そこで、路面を温めて積雪や凍結を防ぐロードヒーティングも人気です。
ロードヒーティングは一般家庭用の製品も販売されているため、特に雪が多いエリアに住んでいる人や、雪かきなどの作業を減らしたい人は、リフォーム会社へ問い合わせてみると良いでしょう。
カーポートに雪が積もった場合の対処法と注意点
耐積雪量に優れたカーポートを設置したとしても、安全に車を出し入れするには日常的なメンテナンスが必須です。
またロードヒーティングを活用して路面の雪は溶かせたとしても、カーポートの屋根に積もった雪はやはり除去しなければなりません。特に、許容量のぎりぎりまで待ってしまうと、雪下ろしの最中にどんどん雪が積もってしまう危険性もあるので、早めの作業が肝要です。
そしてカーポートの雪下ろしをする際は、以下のようなポイントに注意します。
◎雪に水をかけない
すでに積もって凍結している雪に水をかけると、さらに凍結が進んで、雪の重量が増加します。そのため、水やお湯をかけるのでなく、ゆっくりと雪を下ろすことが大切です。
◎屋根の上や脚立に乗らない
雪下ろしの手間を省こうと、屋根の上に乗ったり、脚立を利用したりすることは転落・転倒のリスクがあって非常に危険です。
また、そもそもカーポートは人が上に乗ることを前提とされていないため、人間の体重に負けて倒壊してしまう危険性もあるでしょう。
◎雪下ろしには「雪下ろし棒」を使う
雪下ろしをする際は、専用の雪下ろし棒を使って、安全な場所から作業をすることが基本です。
雪下ろし棒には軽くて長さもあり、重い雪をしっかりと下ろせる丈夫な製品を選びましょう。ただし、人気商品は冬場に売り切れてしまう可能性が高いため、前もって準備しておくことが欠かせません。
カーポートの積雪被害は火災保険でカバー
積雪によってカーポートが倒壊した場合、加入している火災保険の補償条件として「雪災」が含まれていると、その修理費用などが保険によってカバーされます。
ただし、当然ながら火災保険の契約は実際の被害にあう前に済ませておかなければなりません。
富山は積雪のトラブルが切っても切り離せないため、ガレージやカーポートを増築リフォームする際には、加入している火災保険の契約内容についてもあらかじめ確認しておきましょう。
まとめ
カーポート・ガレージをリフォームする際は、
・リフォームを行う季節を考える
・カーポート・ガレージ前の道路幅や高低差を確認する
・家の周囲の環境と事故の危険を考える
・メンテナンス性と耐久性を考慮する
以上4点に気を付ける必要があります。
ポイントを押さえ、納得のリフォームを行いましょう!